26.10.2026
GMO「お名前.com デスクトップクラウド」に不正アクセス、顧客情報流出を確認—企業に求められるクラウドセキュリティ対策
GMOインターネット株式会社は2026年10月21日、同社が提供する「お名前.comデスクトップクラウド」において、第三者による不正アクセスが発生したと発表した。
同社によると、一部の顧客サーバー環境に不正なプログラムが設置されていることが確認され、その後の調査により顧客情報が外部に持ち出されたことも判明した。さらに一部の利用者からは、証券会社やFX会社の取引口座において、身に覚えのないとの報告が寄せられている。
最大26,739件のサーバーに影響の可能性
今回不正を受けた「お名前.comデスクトップクラウド」は、FXの自動売買などに利用されるクラウド型のWindowsデスクトップ環境を利用するサービスである。同社が公表した経緯によると、10月19日に顧客からの問い合わせを受けて調査を開始し20日に一部のサーバー環境で不正なプログラムを確認した。21日には被害拡大を防ぐため、全プランのサーバーを順次停止した。
影響を受けた可能性のあるサーバーは26,739件に上るが、この数字は影響対象となりえるサーバー数であり、すべてのサーバーで不正アクセスや情報流出が確認されたわけではない。また、サーバー内に保存されていた取引口座などのログイン情報などが第三者に取得され、不正に利用された可能性も指摘されている。個別の情報取得や不正利用の有無、影響範囲については、引き続き調査が進められている。
攻撃者から金銭要求、不正取引による損失の補償も発表
10月24日の発表では、攻撃者とみられる人物から金銭を要求され、要求に応じなければ顧客情報の公開やランサムウェア攻撃などを実行する旨の脅迫を受けていることも明らかになった。GMOインターネットは攻撃者からの要求には応じず、警察などの関係機関と連携して対応する方針を示している。また同社は利用者への対応として、以下の措置を発表した。
- お見舞金の支払い: 現在のサービス利用者に対し、金銭的被害の有無にかかわらず一律5,000円を支払う
- 代替サービスの提供: 独立したクラウド基盤上で運用される代替サービスを案内し、移行後6か月間は無償で提供する
- 不正取引による損失の補償: 調査の結果、今回の不正アクセスに起因すると認められた不正取引による実現損失を補償する
不正アクセスを受けた従来のシステム基盤については、そのまま再開せずセキュリティ構成を抜本的に見直す方針としている。
利用者にパスワード変更と端末の確認を呼びかけ
GMOインターネットは二次被害を防ぐため、対象サービスの利用に対してパスワードを変更するとともに、既存のログインセッションを切断するよう呼びかけている。これはパスワードを変更した場合でも、すでに確立されている接続が一定期間いじされる可能性があるためだ。さらに利用者自身のPCやスマートフォンに対するウィルススキャン、データのバックアップ、多要素認証の有効化なども推奨している。
企業が今回の事例から学ぶべきこと
今回の事例は、クラウドサービスを利用しているばあいでも不正アクセスによる情報漏洩やサービス停止が発生する可能性があることを示している。クラウドサービスはシステムの運営負担を軽減できる一方で、セキュリティ対策のすべてをサービス提供事業者に任せられるわけではない。企業側でも以下ような対策を継続することが重要である。
- 認証情報の適切な管理 : パスワードの使いまわしを避け、多要素認証を有効化する
- セキュリティ監視 :不審なログインや端末の異常な動作を早期に検知できる体制を整える
- バックアップと復旧対策 :サービス停止やサイバー攻撃に備え、データのバックアップだけでなく復旧手順も事前に確認する
- インシデント対応体制の整備 :不正アクセスが発生した際に、範囲影響の調査や認証情報の変更、関係者への連絡を迅速に行えるようにする
近年、企業のIT環境はクラウドサービスへの依存度が高まっている。そのためサービス提供事業者のセキュリティ対策に加えて、利用企業側でも継続的な監視やリスク管理を行うことが求められる。特に中小企業ではIT環境の管理やセキュリティ対策を少人数で担当している場合も多く、すべてのシステムを継続的に監視し、異常発生時に迅速に対応するのは容易ではない。
Mirai Digital Solutions OHG (MDS)では企業のIT環境におけるセキュリティ対策やデータ保護、バックアップ管理を支援している。
サイバー攻撃への備えでは、セキュリティソフトを導入するだけでなく、脅威の早期発見、適切な更新管理、バックアップの確保、万一の障害に備えた復旧体制の整備が重要となる。またこうした対策は一度実行すれば終わりではなく、企業のIT環境や新たな脅威に合わせて継続的に見直す必要がある。MDSでは企業ごとのIT環境や運営上の課題を踏まえ、必要なセキュリティ対策と継続的なIT管理について相談を受け付けている。
参考情報
GMOインターネット株式会社
【重要】「お名前.com デスクトップクラウド」への不正アクセスに関するお詫びとお知らせ(第3報)|[2026/10/23]|ドメイン取るならお名前.com
【重要】お名前.com デスクトップクラウドサービスに対するサイバー攻撃について(第4報)|[2026/10/24]|ドメイン取るならお名前.com
「お名前.com デスクトップクラウド」ご利用のお客様へ改めてのお願い(第5報) | GMOインターネット株式会社